2007.08
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2006.04
Sunday
00:18
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『だれのための仕事』 鷲田清一

『だれのための仕事』 鷲田清一著
-21世紀問題群ブックス9- 岩波書店

今、「仕事」や「職業」のテーマのサイトを準備している。

だいぶ古い本になるが、読んでみた。

「仕事」と「余暇」、「ON」と「OFF」ということばを当たり前のように
使うが、これは、産業社会が、労働者が、より、労働に精を出すように
生み出した概念だということを、過去の社会史、哲学史から検証してい
る。「仕事」は、効率を追求するあまり、人間性を省みず、システムだけ
が一人歩きし、「余暇」までが産業化し、「遊び」もシステム化され、
産業社会での1つの「消費活動」と位置づけられてしまった・・と説く。
そして、現在では、「遊びのような仕事」、「仕事のような遊び」が、増
えて来て、両者の境は曖昧になっているとのことだ。

私が、常日頃感じていたことを見事に解説してくれていて、嬉しかった。

「社会に出る」ということが、イコール、「仕事に就く」とされるが、
それも刷り込まれた概念に過ぎない。「フリーター」や「ニート」の問題
にしても、現代のように顕在化しなかっただけで、むかしから、そういう
人たちは居たわけで、世の中に流されないで、正直に自分を見つめたとき
に、今の社会に順応できないというのは、実は、彼らの方が普通の感覚と
いうことも出来る。社会に出る準備機関としての学校の「不登校」の問題
も同根の要素を含んでいるような気がする。

収益やそのための効率を追求するあまり、人間は、いつの間にか、社会シ
ステムに隷属するかたちになってしまったのではないか?管理され、商品
化された自由より、お金に縛られない、自分が納得できる仕事を、模索し
ながら導き出したほうが、居心地のいい時間を過ごせるんではないかとい
う気がする。

出会った人が、何か、心に引っかかるようなサイトを作りたい。




2006.03
Sunday
01:11
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『ウェブ進化論』 梅田望夫著

今、書店のアイランドに山積みになってる本。

『ウェブ進化論』 梅田望夫著(ちくま新書)

毎日、ネットに接して、現実の世界よりもネット住人としての重きを
置いている人も多いだろう。使い始めた人には、いつの間にか、浸透
してしまった。そんな、インターネットは、実質、’95から始まり、
10年経過し、第1世代から、第2世代(WEB2.0)に移行したらしい。

この本の一環した概念として、ウェブの「こちら側」と「あちら側」
がある。過去10年間、需要、市場を引っ張って来たのが、マイクロ
ソフトを筆頭とする、こちら側の企業。これからは、グーグルを中心
とした、あちら側の企業が覇権を握るというものだ。

グーグルというと、ヤフーと並ぶ、検索エンジンで、広告で収益を上
げているんだろうな〜、程度の認識がほとんどだと思うが、これを読
むと、20年に一度現れるか否かのエクセレントカンパニーだという
ことがわかる。出来るだけ、人の手を介さず、自動化し、世界中の知
の再編成を企むというのだ。

日本でいうと、ヤフージャパンや楽天、失墜したライブドアなどが、
いろいろと仕掛けたところで、所詮、こちら側の世界。あちら側で
グーグルが、新しい仕掛けを作ってしまえば、ほとんどかなわない。

グーグルは、「世界中の知の再編成」をテーゼとしていると同時に、
「世界の富の平準化」も企む。世界のどこにいても、自らの分身とし
てのHPにアドセンスの広告を掲載すれば、そこをクリックされること
により、広告代理業としての報酬が手に入る。発展途上国に住んでい
ても、ネットを通じて、収入を得ることが出来る。

私も、身を持ってチャレンジしている者だが、これが、なかなか難し
い。当たり前かもしれないが、一筋縄ではいかない。

一番いいのは、グーグルでも、最高に優秀な技術者の頭脳を移植して
もらい、あちら側の新しい秩序を作ってしまうことだろうけど・・。

まあ、適わぬ夢を追わないで、地道にアクセスアップを狙いますか!?

2006.01
Sunday
23:21
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『超バカの壁』 養老孟司著

ベストセラーになった、『バカの壁』の続編

養老さんのおもしろいところは、通常、著者の自分の専門分野
については、それによって、世の中や、ものごとを解釈し説明
したがるものなのに、脳科学のオーソリティにもかかわらず、
世の脳みそ至上主義に対して、一歩引いた見方をしているとこ
ろだ。

学者やビジネスエリートが陥りがちな、机上で論理を固めて、
それを検証するためのようにものごとを推し進めるやり方・・。
他の動物に比べて、異常に脳が発達してしまった人間だから
陥ってしまうところでもある。

五感を使って云々とは、よく言われるが、脳が発達してしまった
ために、既存の知識や常識を詰め込まれた脳が先に反応して、
五感の反応を抑制しがちだということらしい。

若者論の中で、「自分にあった仕事」なんてないと言い切るあたり
自分探しが盛況な今、確固たるものを感じさせ、爽快だ。

「道路に空いた穴を埋めるのが仕事」という比喩も非常にわかり
やすい。とかく、自分本位に考えがちな空気を一喝する。

うん、体験と知識に裏打ちされているだけに、説得力がありますね。
文章も口語調で、読みやすいし・・。

テロや靖国問題にも言及しているが、一般の見方とは、ずれた
独自の主張が、おもしろい。

まあ、これだけズバズバ言うと、結構、敵も多いだろうなあ〜。




2006.01
Wednesday
20:51
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『東京タワー』 リリー・フランキー

三が日は、信州に帰省していた。

今年の東京は寒いせいか、田舎に帰っても、
温度差をさほど感じなかった。

ほとんど家に居て、本を読んでいた。
(ついつい、『八犬伝』を夢中になって見てしまいましたが・・)

 『東京タワー』-オカンとボクと、時々、オトン-
            リリー・フランキー著 扶桑社

昨年末から話題のベストセラー・・。

リリーさんは、最初、J-WAVEのパーソナリティとして知り、
その話題のおもしろさと説得力の強い語り口に惹かれた。

大学が同窓ということもあり、何かと気になる存在であった。

僕の場合、へそ曲がりなところがあって、
大ヒット曲のCDとか、ベストセラーの本などは、
敬遠してしまうところがある。

変なマイナー志向があって、みんなに受けるというのが、
気に入らないのである。

ただ、今回は、書評などで、絶賛しているものが多く、
読んどかないとヤバイかな?と直感した次第。

これが、読み始めると、グイグイと彼の生まれ故郷である小倉に始まり、
九州と東京の各地を転々として、最後の中目黒まで、息がかかるくらい
近い距離で著者の傍らにいるようなリアルな感覚に支配され、疾走感覚で
読み進めたくなる。

誰でもが持っている、親子ゆえの距離の取り方の難しさ、
心の奥に仕舞い込んで、なかなか、言い出せない事柄、
必ず来てしまう別れ・・

それらをリリーさんは、博多弁を交え、とつとつと読者に伝える。

区切りごとに、『五月にある人は言った・・』というフレーズで
展開される著者の哲学的人生論が、疾走する物語に伴走する読者の、
ストーリーから一旦抜け出した小休止の場となる。

リリーさんの他の刊行物の先入観は捨てて、お読みください。

オススメです!