表参道NADiffで、鷹野隆大 「イン・マイ・ルーム」を観た。
実は、これを目的で、街に出掛けたのではなく、渋谷のトーキョーワン
ダーサイトで、開催中のヘレン・ファン・ミーネの写真展を観にいった
のだが、これが、ハズレだった。街で見かけた女の子をナチュラルに撮
っているのだが、作者の意図なり、やりたいことなりがなかなか見えて
こない。
せっかく繰り出して来て、このまま帰るのは、納まりがつかないと考え、
地下鉄で一駅の表参道へ・・。
まず、地下の
ナディッフのエントランスに掲げられた美女の大きな写真
が目に入った。かつてのロックグループ、ロキシーミュージックのレコ
ードジャケットで、性転換したと思われる男性(見た目は、骨っぽい女
性)の写真があるが、雰囲気が似ている。こちらは、下半身に、女性に
はない器官が、ぼやけて写っている。両性具有的なイメージ。目が惹き
つけられる。店内には、囲われたギャラリースペースがあるが、こちら
には、男性である作家の大きな全身写真と女装したものが対比的に展示
されている。
でも、一番気に入ったのは、壁に、上下に対比的に映し出されたビデオ
作品。複数の服を脱ぐ男女と、とまどう男の映像が同時に進行する。密
室空間での1対1の躊躇、羞恥心、滑稽さをシュミレートしたと思われ
る作品だ。
誰もが体験する視界を映像化しながら、ヘレン・ファン・ミーネの写真
は、イマイチ訴えてこないが、こちらは、なぜか、ゾクッとした感覚を
覚えた。
ただし、それは、センセーショナルなものではなく、気がつかないうち
にモノが置換してしまい、言われないと気がつかないような、いつの間
にか麻痺が浸透してしまったような感覚とでも言えようか・・。
鷹野隆大クン(「さん」でもいっこうに構わないのだけれども)、今後
も期待してますよ!